おわりに

「くるまりす」と「解説」を書くにあたって、昔の日記や書類、写真などを元に、出来事を年代ごとに書き出すところから始めましたが、一つの出来事を短い物語と解説にするためには、出来事を取捨選択しなければなりませんでした。
タイトルごとに短くまとめた出来事の他に、いくつかの出来事が同時に進行しています。「くるまりす」と「解説」に書けなかった出来事には、人生を左右した出来事が含まれています。

言葉をシンプルにして書くことで、表面に浮き出てきたモヤモヤした感情がありました。モヤモヤした感情というのは、これまでは、どう伝えて良いのか分からなかった思いだったり、周囲の人に遠慮して抑え込んだままにした気持ちだったり、社会的少数者の考えと感じる事だったりと色々です。元々「くるまりす」と「解説」だけではなくて、それをきっかけに、障害者自身でも中々語れなかったことを書いて行きたいと考えているのですが、「くるまりす」と「解説」をシンプルな言葉で書くために、ふさわしい言葉を探すことは、自分の本音を探らなければならないことでもありました。

何が、これまでの自分に向き合えない原因だったか、自分をうまく表現できない原因だったか、どうしてうまく言葉で語れなかったかを、自分が納得いく答えを求めて、自分の本音を理解するということを、何十年分か一気にした感じです。


改めて「くるまりす」と「解説」には書けなかったことを書きたいと思いました。私の体が弱り始めたころからのことを書く中で、書けなかったことが、ずっと感じていた違和感でした。「くるまりす」と「解説」を書いたことで、違和感やモヤモヤの解釈が出来たように思います。

人とは違う人生を送って来ただけ、と良く自分に言い聞かせますが、違和感やモヤモヤに対して使う言葉でした。でも、人とは違う人生を送ってきたことが、誉め言葉になる方法があるように少し思えてきました。

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